黒ユリのタンゴ
明けて月曜日。


私は2枚のポスターを手に、生徒会室に向かっている。


一緒に行きたい!と言っていた智香も、急遽部活の顧問の呼び出しがあったようで先に行ってしまった。


廊下を歩きながら、土日のポスター作りを思い出す。


智香の家は、学校をはさんで私の家と反対側になる。

したがって中学は別。

出席番号が前後ということで仲良くなった私たちは、たまにお互いの家に遊びにいく間柄になっていた。



母親から「智ちゃんのお母さんに宜しくね」と渡されたお土産をいただきながら、わいわいポスター作り。

智香もすごく張り切って、頼んでもいないのに参考資料をいっぱい準備してくれていた。
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