黒ユリのタンゴ
二人の話によると、どうやらこういうことらしい。


そもそも文芸部自体、『ミス文芸部』を決める基準を持ってなく
毎年なんとなく平和に決まるものだという。


「この人がいいんじゃないかな」

もしくは「私やってみたいんです」


秋ごろからそんな流れになり、ある程度集約されたころに、本人が引き受けて決定。


『ミス』というには、ちょっとお粗末な実情。


では今年はというと。


2年によさそうな人がいる。

みんなの推薦理由としては、今年秋の文芸コンクールで入選したという実績を評価して。


ただ、どうしてもその人が快諾してくれないらしい。

イヤなものを無理やり、というわけにもいかず
かといって他に立候補がいるかというとそうでなくて。


あとは本人次第なんですよね、と光永先輩は話していた。
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