黒ユリのタンゴ
それから私達の話題は冬休み、そして期末テストへと移り変わる。


そう。
やれ百人一首といってるうちに、世の中はクリスマスや年末ムード。


そして私達には期末テストが待っていた。


来週の18、19日。

気づいて、愕然とする。


「私やばいよ、何にも出来てない・・・」

これはウソでもなんでもない。
ほんとうに、ほんとうに「なにひとつ」出来てないのだ。



神田君は、チラリと私を見る。


「期末って、出るところわかってるでしょ」

いや、そうとはいえ。

「しかも授業で聞いてる内容だし」

うう。

「大丈夫だよ?」


いや、そうでないんです。



どうやら神田君。

眼鏡キャラだけあって、悔しいかなチョットばかり賢い部類の人のようだ。


一緒になって「やばいよねー」と手を取り合ってくれるようなキャラではなかった。
< 61 / 205 >

この作品をシェア

pagetop