黒ユリのタンゴ
ところがボスはちょっと違う印象を持ったようだ。

しきりに首をひねっている。


幽霊部員だから、と前置きしてこう説明してくれた。

「うーん。記憶の中の浜田さんって、あんな感じじゃなかったんだよねえ。

そりゃあ、タイプでいったら大人しめには変わりないんだけど、あそこまでじゃなかったというか」



それってどういうことだろう。


「今日の体調が悪かったんじゃないんですか」

ボスの様子に、私もなんだか不安になる。


ところが筧先輩には全く関係ないようだ。

「大丈夫ですって。僕、ああいったタイプも好きですし
うまくやりますって」



・・・つくづく大会が心配になってきたのは、私だけだろうか。


そして私達はいよいよ冬休みに突入した。
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