黒ユリのタンゴ
「百人一首やら」

「部活やら」

「テストやら」

「塾やらで」

私たちは、ガックリと肩を落とす。


・・・なんてこと!

すっかり学生生活の大事なイベントを忘れてしまっていたなんて!?




「ねえ、智香」

「ん?何?」


「明日さ、ちょっと一緒に残っててもらいたいんだけど・・・」


先輩を待つんでしょ、智香はニヤリと笑う。


「せめて先輩に彼女がいないって確認したいんだ・・・」


神様、どうかお願いっ!

先輩が女連れで歩いてる、なんてないようにして!!

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