きみが見た光
「いつもは、無言なのよ…」

お茶を入れたティカップをローテーブルに出して、彼女は背中を丸めて座り込んだ。

「警察は?」

「相談に行って、この間、逆探知する予定だったんだけど…」

彼女の顔は、曇る。

「かかってこなかったの。今までの通話履歴も調べてもらったら、あちこちの公衆電話からで。今月に入って番号も変えたんだけど…」

「ふーん… でも犯人が捕まるのは時間の問題だと思うけど」

俺は、出されたお茶に手を伸ばした。

「ストーキングされてるの、いつから?」

「この学校に勤めはじめてから… えっ…?」

彼女の表情が一変する。

俺はうなずいた。

「犯人は、学校職員の誰かだろ」

「職員の誰かって… まさか」

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