きみが見た光
「果してお前に、あの人を守り抜くことができるかな」

ニヤリと笑うその姿は、まるで普段の"教師"の顔とは程遠く、またライバルに宣戦布告するようなものではない。まるでそれは勝利宣言だ。

「さて、彼女が選ぶのは青いガキか頼れる大人の男かどっちでしょう?」

余裕の笑みを浮かべ、理不尽な選択肢を提示する、橘…

「気を付けて帰れよ、お前はかわいい俺の生徒…」

奴が一瞬、無防備の背中を見せたとき

あの男の肩を掴みかかると、振りかざした拳が既に飛び出していたのだ。

ボクサー並のストレートが一発…

別にボクシングが得意なわけではない。しかし俺の奴への怒りが体を動かしてしまったようだ。

怒りの鉄拳が決まったのと同時に、橘は吹っ飛び、俺は近くにいた他の教師に取り押さえられ、また職員室に連行された。



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