きみが見た光
「謹慎ってね…」

呆れる母親。そりゃそうだろう。

生活指導の教師を殴り、流血させてしまったのだから。

急に慌ただしくなった放課後。

バタバタと教師が廊下を走る。

『立派な傷害罪だぞ』

真っ赤な顔をした校長が、机を叩きながら俺を叱っていた。

その端で、心配そうな顔をした奈緒がこちらを見ていたのを覚えている。

呼び出された母親は、橘に謝りまくっていた。

「…ホントにもう」

母の口から小さな溜息が漏れた。

母親と帰ってきた俺は、リビングの椅子に座らせられ、母親と向かい合っていた。

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