きみが見た光
圭が、俺の背中を見て、両手を肩の高さ間で上げて、呆れ顔を浮かべていた。まるでアメリカ人のボディランゲージ並のジャスチャーだ。

ちょうどその時、教室のドアが開き、ざわついていた室内が、静まり返った。

「おはよう」

さわやかな挨拶で中に入っていたのは、国語の澤井と……

「あ……」

あの女…
もしや……

澤井の隣に立っていたのは

「ラッキー、奈緒ちゃんだ」

後ろから圭の嬉しそうな声が俺の耳を掠める。

俺は、震えていたかもしれない…




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