きみが見た光
そこから手を伸ばし、カーテンの隙間に手を入れて、外をのぞく。

月が綺麗な弧を描き、美しい三日月が夜空に浮き出ていた。

白く光るその三日月を見つめていると、不思議なくらい冷静になれるのだ。

(…絶対に尻尾を掴んでやる)

時間は、まだ残されているはずだ。

彼女が俺の気持ちに答えてくれなくてもいい。せめて、彼女を守り抜くことさえできれば、俺は前に進むことができるだろう。



< 135 / 161 >

この作品をシェア

pagetop