きみが見た光
しかし、彼女の家に訪ねても会うことはできなかった。

ショックで、とても人に合わせられる状態ではない、と彼女の母親に断られてしまったのだ。

当たり前だ。

俺のせいで…
関係ない彩夏を傷つけてしまったのだから……

圭と並んで歩く帰り道。二人の間には会話もなく、ただスニーカーがアスファルトに擦れる音しか聞こえなかった。



「なぁ、真白」

不意にその沈黙を破ったのは、圭の方だった。

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