きみが見た光
俺の好きな人


少し茶色がかったその髪は長く、さらさらで、

黒目がちの大きな目

スッと伸びた鼻筋

そして肌は雪のように白く、

その唇は小さく、とても柔らかそうだった


兄貴に向けられるその笑顔を見る度に、俺は何度も自分の気持ちを隠していた。

だから、きっともう麻痺している。

好きな気持ちがまだ残っていても、きっといつも通り過ごしていけるだろう。


またどこかで出会えたら

神様がいるなら
また悪戯に巡り逢えるかもしれない

今は、そんな小さな奇跡を信じたりして…



いつか、それが間違いだと気付けたら、俺は人として成長できるだろう。

きっと、時が俺を癒してくれる。

そんな期待もしつつ、俺はバスの流れる夏の景色をのんびりと眺めていた。








きみの見た光

おわり☆



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