きみが見た光
「あ、あった、あった」

そう言いながらかばんから取り出したのは…

「あげる。食べかけだけど…」

俺の手の平に押し付けたのは、食べかけの板チョコだった。

「……!」

俺はビックリして奈緒の顔を見た。

奈緒は立ち上がり、俺の方を見て笑っていた。そして、手を振りながら去って行ったのだ。

兄貴からちゃんと紹介されたのは、そのすぐ後だった。

それから何となく仲良くなって…

兄貴と彼女の睦まじさに憧れていたものだった。



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