きみが見た光
「しっかし、許せんなー」

「何が」

「だってよ…」

圭は眉をひそめながら俺の顔を覗き込む。

「あんな可愛い人と、知り合いなんだろー」

俺はガクッと肩を落とした。結局はそこかよ。

しかし、感じる視線の先をたどると、圭の目は、始業式の時のような色めく感じではなく、暖かいものだった。

しかし、それが逆にこそばゆく、俺は睨み返していた。

「なんだよ」

つい強い口調になってしまう。

「お前があんなふうに抱きしめられるんだなーって」

圭は笑いながらそう言って、残りのサイダーを流し込んだ。



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