きみが見た光
「あ、そうそう」

何かを思い出したように、圭は体を起こした。

「今日の放課後、クラスの親睦会だってよ。カラオケみてぇだけど…。さっき、渡とかが出欠取ってたわ」

「俺はパス。予備校あるし。あんな騒ぎの後じゃ、うぜぇだけ」

「ま、そーだろな」

圭は納得顔でうなずいた。

ちょうどその時、チャイムが鳴り始める。圭も立ち上がり、少しだけ白くなった制服の後ろを手で払い、俺の横に並んだ。

「行くべ」

「あぁ」

俺達は、かったるく歩きながら屋上を後にした。



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