きみが見た光
自動ドアをくぐると、外はとっくに日が落ち、空には星をのぞかせていた。

4月と言えど、日が落ちると気温も下がりパーカーを着てちょうど良い気候だった。

俺はそのまま家に帰るため、駅に向かって歩き出していた。

「真白」

後ろから声を掛けられ、足を止めて振り向いてみる。

「あぁ、彩夏か」

風が、広瀬彩夏の長くてサラサラな髪をなびかせていた。

彩夏とは、中学が同じでそこからの知り合いだ。何度か同じクラスにもなったことがある。

性格がさっぱりしているためか、他の女子に比べても、割と話しやすい女だった。



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