きみが見た光
ちょうど、高架の上を走る急行電車の音が轟き、強い風が辺りを揺らしていた。
俺は小さく溜息を吐き駅の改札へと入ろうとすると、目の前のロータリーに一台のタクシーが滑らかに滑り込んできた。
特に気にもせず、制服の上から着たパーカーのポケットから定期入れを出すと、俺はそれを自動改札にタッチしようとした。
「真白っ」
小さな声で呼び、俺の腕を後ろから掴むのは、コンビニに行ったはずの彩夏だった。
「なんだよ、お前。まだなんかあんの?」
眉をあからさまに八の字にして尋ねると、さっきまでと様子の違う彩夏に、俺は更に怪訝そうに彼女の顔を見た。
「アレ。あっちのロータリーに止まってるタクシーから降りたカップル!」
彩夏の指を差す方向を、目を細めながら見てみると……
「あれって… 近藤センセと、橘じゃない…?」
目を大きく開きながら、少し興奮気味に彼女は話した。
橘は、しっかりと奈緒の腰に手を回し、彼女をエスコートしている様子がハッキリとこの目に映っていた。
俺は小さく溜息を吐き駅の改札へと入ろうとすると、目の前のロータリーに一台のタクシーが滑らかに滑り込んできた。
特に気にもせず、制服の上から着たパーカーのポケットから定期入れを出すと、俺はそれを自動改札にタッチしようとした。
「真白っ」
小さな声で呼び、俺の腕を後ろから掴むのは、コンビニに行ったはずの彩夏だった。
「なんだよ、お前。まだなんかあんの?」
眉をあからさまに八の字にして尋ねると、さっきまでと様子の違う彩夏に、俺は更に怪訝そうに彼女の顔を見た。
「アレ。あっちのロータリーに止まってるタクシーから降りたカップル!」
彩夏の指を差す方向を、目を細めながら見てみると……
「あれって… 近藤センセと、橘じゃない…?」
目を大きく開きながら、少し興奮気味に彼女は話した。
橘は、しっかりと奈緒の腰に手を回し、彼女をエスコートしている様子がハッキリとこの目に映っていた。