きみが見た光
「何だよ、その顔はー? 俺も同じだっての」

「顔が笑ってるぞ。説得力ねぇんだよ」

俺ら二人は、そんなやり取りをしながら教室に向かった。

圭とはどうやら、3年間同じクラスメイトとして過ごすらしい。

1年の時から一緒にいると、食べ物や飲み物の好みや好きな女のタイプやらを嫌でも解り合えてしまう。

嫌なほど。

無口な俺に何の興味があるのかは知らないが、圭は俺とつるむのが楽しいらしい。時には下らないことでケンカしたりもするが、基本的には俺のことを信頼しているみたいだった。

俺も、ちゃらんぽらんに見えるヤツだが、圭を信頼はしていた。



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