きみが見た光
昨晩、くだらない用でかかってきた圭からの電話で、彩夏のことをポロっと話したら、ヤツは俺の肩をバシバシ叩いて

「そうしろ!」

と、嬉しそうな顔をして賛成していた。しかし、それにどんな趣旨があるのかは、解らなかったが。

まぁ、別に圭にそう言われたから、彩夏と付き合うフリをすることにしたわけではない。

困ってるんなら助けてやっもいいかなっーていう上から目線的な気持ちと、早くあの騒ぎを無かったことにしたかったんだ。ただ、それだけだった。

『別に、あたしと付き合うたって、学校帰りとか予備校帰りとかに一緒に帰るだけだよ? 簡単でしょ?』

おぉ、おぉ。
簡単、簡単。

そう気を取り直して、了解を出したのだ。



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