きみが見た光
「クソっ」

学校帰り、俺はバス停を通り過ぎ、家とは反対方向に向かっていた。

怒りに任せて歩いていると、段々と通りがたくさんの店で賑わっている。駅が近いのだ。

行き交う人を掻き分けるように駅前を通りすぎると、俺はゲーセンの自動ドアをくぐっていた。

やかましい電子音が耳から脳みそに伝わり、かなり不快ではあったが、俺は何のゲームをすれば、今抱えているこのイライラを解消できるのか、物色し始める。

カーレースか
銃撃戦か
スロットか
モグラ叩きか

ゆっくりと歩きながら店内を見て回る。そして、あるゲーム機の前で立ち止まり、かばんから財布を出した。そして、100円玉4枚を投入口に押し込んだ。



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