きみが見た光
「って、あら? 真白くん…よね?」

俺に気付いたそのおばさんも、驚いた顔の後、笑顔になる。

「やっぱり…! 昔の面影そのまんまだから…」

えっ

「大きくなったわね…」

関心したように、おばさんは俺の頭から爪先までゆっくりと見渡していた。

「それじゃ…」

逃げるようにその場から立ち去ろうとすると、おばさんは俺の手を取り、そこから一番近い喫茶店に入ろうとしていた。

「いや、俺は…」

焦ってその手を放すと、おばさんはふと懐かしむように笑っていた。

「あなたが必死になって毎日通って来てくれことを忘れたことないわ…」



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