きみが見た光
彩夏とアイス屋で別れてから、俺は一度家に寄って母親から自転車を借りた後、再び日が暮れてから学校に戻ってきたのだ。

もう誰の生徒の影など見当たらない時間。

静かに校門を抜けると、俺は職員玄関の"近藤"と書かれた下駄箱を開け、メモを入れておいたのだ。

奈緒は、半信半疑な顔をして、裏門にやって来た。

当たり前だろう。この前、俺から罵倒されたばかりなのだから。

俺は、許せなかったんだから。





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