俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
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日曜日、私達は連れだって買い物に出かけた。
この処、休みと言えば、尚哉の部屋でじゃれあう日々だったが、たまには外に出て見ようと言う事で、渋谷のど真ん中に繰り出した。
二人とも、金銭的には決して恵まれている方では無かったので、ほとんどがウィンドウショッピングに終始した。二人並んで歩くだけでも気持ちが良い物だ。
特に尚哉はちょっと目立つのだ。カッコよさと言う面で。
センター街ではスカウトの人数も随分減ったし、昼間は治安もだいぶ改善されて、居心地の良い街に産まれ変わりつつある。
そしてアクセサリーの店に入って、私は指輪を何気なく眺めていた。
「それ、欲しいの?」
私の目にとまったのはシンプルなリング。何故かそれが眼に入ってじっとそれを見詰めてしまったのだ。
「え、ううん、大丈夫だよ、なんでも無いから」