俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
私は、そう言ったけど、尚哉は直ぐに店員さんを呼んで、あっという間に会計を済ませて、私にその包みを渡してくれた。

「――あ、ありがとう、でも、大丈夫なの?」

決して安い買い物では無かった。

「うん、大丈夫だよ。桃子の為ならさ」

そう言って尚哉は優しい微笑みを返してくれた。私の一生の思い出の品に成るかもしれない。そう思うと、心が締め付けられる様な気がした。

◆◇◆◇◆◇

私達が尚哉の部屋に帰宅する。いつもの甘い香りが私達を出迎える。

「祐二さん…」

「こんにちは。大丈夫、直ぐに居なくなるから」

祐二さんはそう言ってにっこりと微笑んだ。

今日も祐二さんは葉巻だった。それを一本吸い終わると「じゃあ…」と言って私達の前から姿を消した。
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