俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
■第4章≫愛の嵐は
†ほんのちょっとのいさかい
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「なぁ、桃子…」
昨日の夜と同じ展開だった。お父さんが私に向かってそう話す。
「桃子は将来、何に成りたいんだ?」
「え、私…私はね…」
思わず本音を言いそうになって、言葉を慌てて飲み込んだ。私の将来の夢は、尚哉のお嫁さんだ。子供も3人位、欲しいな。腕白な男の子三人兄弟。一日中、お掃除とお洗濯に追われて過ごすの。
「保育士…かな…」
「ほう、保育士か良い夢だね。だったら、そっち方面の学校に進学するかい?」
「う~ん、でも、未だ、良く分かんない。途中で変わっちゃうかもしれないし、なんか、実感わかなくてさ…」
お父さんはちょっと心配そうな表情で私を見詰めている。そうだ、現実は我武者羅にやって来るのだ。もう、いい加減、覚悟を決める時期に来ているのかもしれないと、私は思った。
「お父さんは、私と同じ年の頃って、何考えてた?」
「ん?お父さんか、お父さんはね…」