俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「うちは、放任主義だからなぁ…」

優香がプリントを見詰めながら呟く様にそう言った。

「でも、桃子は最後の砦が有るから、いざとなったら、そこに就職よね?」

私は優香の言う事がちょっと理解できずに、彼女に向かって聴き返す。

「最後の砦?なにそれ…」

「何言ってるの、尚哉君。お嫁に行っちゃえば、一生楽して暮らせるわよ」

私は複雑な笑いで優香に応える…

「そんなこと、分かんないわよ。尚哉が一生私だけを見ててくれるとは限らないし」

「あら、随分弱気な発言じゃ無い。意地でもしがみついてるかと思ったのに…」

私はお父さんお話を思い出していた。お父さんは、学生時代の最愛の人と結婚した訳ではない。その後に、自分の『片割れ』に出会って言るのだ。このまま順調にゴールインとは行かない可能性だって、十分に考えられる。

「優香だって紗和ちゃんが居るじゃない」

私はちょっと意地悪な表情で彼女に向かってそう言った。

「――あのね」

優香が妙にマジだったのに、私はちょっと恐縮した。
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