俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「あの、外国って…どの辺に行くつもりですか、簡単に帰ってこれる土地ですか?」

私も祐二さんには、未だ暫く傍に居て欲しかった。

「うん、治安の問題からすると、オーストラリアあたりが良いかなと思ってるよ。南半球の生活っていのも味わつて見たいと思うからね」

「――遠いですね、オーストラリア」

「又、一から商売を始めて見ようと思ってる。今度は少し、人と触れあえる仕事が良いな」

「人と、触れ合う仕事ですか」

「そう、自分の事も少し見詰め直してみたいと思ってるからね。まぁ、年取ったって言う事かも知れないね、こんな気持ちになるんんて…」

私は、祐二さんに何も言ってあげる事が出来なかった。

そして、本気でやりなおそうとしている姿勢を止める事も出来なかった。

◆◇◆◇◆◇

祐二さんも私達の前から姿を消した。何だか灯が消えたみたいな静けさが戻ってきた。
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