俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「ま、あいつが、そう易々と打ちのめされてるとは思えないけどね」

ナナコママは煙草をくゆらせながら、私に向かってそう言った。

「色々有ったけど…まぁ、気が向いたら戻ってくるでしょ、あいつ…ちょっと気まぐれなとこも有ったものね」

ナナコママの視線が少し遠くを見詰めてる様な気がした。

「ま、結局、私の想いは伝わらなかったって事ね」

「え?」

ナナコママがちらりと私を一瞥してから更にぽツンとこう言った。

「それが人生。桃子も気をつけなさいよ」

「――え、う、うん」

人生と言われたけど、私にはピンとこなかった。
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