俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
駅の反対側には、狭い路地の繁華街が有った。

飲み屋街の連なる処で風俗店も連なる場所だった。

時間的にはまだ早いので、営業している店は少ないが、夜に向かって魔物が牙をといでいる様にも感じられる雰囲気だった。

その中の雑居ビル、エレベーターで三階に上がった処に看板が有った。

「芙蓉」と書かれた小さな看板には、未だ灯が入っていない。

しかし尚哉は躊躇無く、店の扉を開いた。

「あら、尚哉、遅くなるんじゃなかったの?」

カウンターの向こうから甲高い男性の声が聞こえた。

女物の着物姿の男性…

「予定が変わったんだ」

尚哉はかまわず店の中に入って行った。
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