俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
そして私たちは門の前で泣き別れとなるのだが、今日は少しだけ変わった事が有った。

「桃子、これ…」

信哉が鞄の中から何かを取り出して私に渡してよこした。

「これは?」

「ああ、俺の部屋の鍵だ。桃子は俺の部屋の中に自由に入って良いからな」

私は、胸がぎゅっと締めつけられた様に感じた。感動と言っても良い感覚だった。

「じゃぁな。又、明日…」

尚哉はくるりと私に背を向けると小さく手を挙げて私に合図して足早に立ち去って行った。

私は暫く、その場に立ち尽くした。やっと尚哉に認めてもらえた様な気がして、踊りだしたい位の気分だった。

「嬉しいの?」

私は背後からそう声をかけられて、その方向に振り向いた。
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