『霊魔伝』其の弐 火の章
「それじゃ、今でも俺の周りにいる奴等は、俺の身体をねらっているのか。おい、小太郎おまえもそうなのか。ずっと一緒に遊んできたのに。」
零次朗は横にいる霊魔に向かっていった。
《零次朗、俺は違うよ。おまえの友達だ。今までもずいぶん助けてきただろう。龍太もそうだ。》
小太郎と呼ばれた霊魔は、そういうと笑った。小太郎は、霊魔の中でも人に近い姿をしていた。それを見た武寅が驚いた。
「これは驚いた。零次朗、すでに霊魔に名前を付けたのか。」
「そうだよ。子供の頃から、遊んでいたから、付けてやったんだ。名前が無いというからね。」
「ほう、そうか。小太郎というのか、おまえは。良く今まで零次朗を守ってくれた。礼を言う。」
「じいちゃんにも小太郎が見えるのか。」
「いや、見えはしないが、感じることができる。わしには、霊魔を見る力がないのじゃ。もちろん話をすることもできん。」
「小太郎だけじゃないよ。たくさん名前を付けてあげた。俺の中にも龍太という霊魔がいる。」
「そうか、それは良いことをしてあげた。陰の世界にいる霊魔は、自分の存在を認めてもらえることが一番うれしいのだ。名前を付けてもらえることは、自分の存在を認めてもらえたという事じゃ。存在が認められれば、この世に縁ができたことになり、ずっと留まることができる。その時より霊魔は名付け親の守り神となる。名付け親が死ねば、自分の存在も消えてしまうからな。しかし、身体の中に霊魔を取り込むとは、驚いたものじゃ。普通なら身体が耐えきれないのじゃが、これも血筋かの。」
「そうか、小太郎。おまえずっと俺を守ってくれていたのか。」
零次朗は小太郎に向かって手を出した。
すると、その手に手を重ねて、小太郎は言った。
《零次朗。俺とおまえは友達。友達を守るのは、当たり前。俺だけじゃない。霊魔は零次朗のこと好きなのさ。》
零次朗が霊魔と話をしている様子を見て、武雄身は呟いた。
「零次朗、おまえは霊魔と仲がいいのだな。そこは、母親にそっくりじゃな。」
零次朗は横にいる霊魔に向かっていった。
《零次朗、俺は違うよ。おまえの友達だ。今までもずいぶん助けてきただろう。龍太もそうだ。》
小太郎と呼ばれた霊魔は、そういうと笑った。小太郎は、霊魔の中でも人に近い姿をしていた。それを見た武寅が驚いた。
「これは驚いた。零次朗、すでに霊魔に名前を付けたのか。」
「そうだよ。子供の頃から、遊んでいたから、付けてやったんだ。名前が無いというからね。」
「ほう、そうか。小太郎というのか、おまえは。良く今まで零次朗を守ってくれた。礼を言う。」
「じいちゃんにも小太郎が見えるのか。」
「いや、見えはしないが、感じることができる。わしには、霊魔を見る力がないのじゃ。もちろん話をすることもできん。」
「小太郎だけじゃないよ。たくさん名前を付けてあげた。俺の中にも龍太という霊魔がいる。」
「そうか、それは良いことをしてあげた。陰の世界にいる霊魔は、自分の存在を認めてもらえることが一番うれしいのだ。名前を付けてもらえることは、自分の存在を認めてもらえたという事じゃ。存在が認められれば、この世に縁ができたことになり、ずっと留まることができる。その時より霊魔は名付け親の守り神となる。名付け親が死ねば、自分の存在も消えてしまうからな。しかし、身体の中に霊魔を取り込むとは、驚いたものじゃ。普通なら身体が耐えきれないのじゃが、これも血筋かの。」
「そうか、小太郎。おまえずっと俺を守ってくれていたのか。」
零次朗は小太郎に向かって手を出した。
すると、その手に手を重ねて、小太郎は言った。
《零次朗。俺とおまえは友達。友達を守るのは、当たり前。俺だけじゃない。霊魔は零次朗のこと好きなのさ。》
零次朗が霊魔と話をしている様子を見て、武雄身は呟いた。
「零次朗、おまえは霊魔と仲がいいのだな。そこは、母親にそっくりじゃな。」