禁断恋語

「私も…。その、兄弟に恋してるようなものだから」



「ようなもの?」



「うん。えっと、私の好きな人は、私の幼なじみで、同じ施設で暮らしてて…。いつも一緒にいるのが当たり前で…。だからいつの間にか私、好きになってた」








似とる…。



あたしと……。











「…おんなじ施設ってなんや?ホントの兄弟ではないん?」



「うん。私、家の事情で小さい時から施設で暮らしてて。彼ともそこで会ったの。家族みたいなものだよ、施設のみんなは」









せやけど…。




血は繋がってないんやろ。







そこだけはあたしと違う。





あたしが何をどうしても乗り越えられない壁が梓たちにはないんやから。








望みはあるやないか…。






あたしと違うて。

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