それじゃバイバイ。【微BL】
両手に花を持ったまま、
柵に寄りかかる。
空は青い。
飛行機雲だけ、白く浮かぶ。
わけられた2つの空。
きっと向こうも、何も変わらない。
いっそここから、飛び降りてみようか。
あの子のように。
なんとなく、何かが変わる気がする。
悪い方か、良い方か。
どちらかへきっと転がってくれる。
背を伸ばした時、
背後から声をかけられた。
「何してるの?」
先輩だ。
スーツを着て、花束を持って立っている。
今朝、僕の保護者のつもりだと言っていた
その手の花も、やっぱり2人分。
「別に、何もしてませんよ」
ただ、立っているだけ。
そう答えると、先輩は笑った。
「飛び降りるのかと思った」
あの子のように?
僕も笑った。