それじゃバイバイ。【微BL】

両手に花を持ったまま、
柵に寄りかかる。


空は青い。
飛行機雲だけ、白く浮かぶ。


わけられた2つの空。
きっと向こうも、何も変わらない。



いっそここから、飛び降りてみようか。

あの子のように。


なんとなく、何かが変わる気がする。

悪い方か、良い方か。
どちらかへきっと転がってくれる。



背を伸ばした時、
背後から声をかけられた。


「何してるの?」

先輩だ。

スーツを着て、花束を持って立っている。
今朝、僕の保護者のつもりだと言っていた

その手の花も、やっぱり2人分。



「別に、何もしてませんよ」

ただ、立っているだけ。


そう答えると、先輩は笑った。

「飛び降りるのかと思った」

あの子のように?

僕も笑った。

< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop