僕らの秘密。
愛しい恋しい
まだ、まだ授業は終わらないの?早く、早くカオルに会いたいのに…。


私は、時計の針をイライラしながら睨んでいた。


「ここの問題は…、じゃあ青衣。答えろ」


先生がそう言った瞬間クラスがざわついた。


「青衣くんが答える!きゃー!」


「青衣くんの声きこえるわよ!」


…うるさい。

それに私は男じゃないっつーの。



「…2X-4」


私はポツリと呟くように答えた。


「正解、座っていいぞ。」

ガタッ


こんな簡単な問題、答えられない奴なんかいる訳?


「相変わらず青衣くんクール!かっこぃー!」


「この女子高の王子だよねっ!」


「ねーっ!」


王子…?ふざけんな…。


私は呆れて笑った。

私は、男でも王子でもねー…、私はカオルの……


キーンコーン…



「よし、ここまで。しっかりノート書いとけよ。」


終わった!


私は教室を飛び出すと音楽室に向かった。


『〜♪ 〜〜…』


ピアノの音…、綺麗な歌声…。


ニッと笑って私は音楽室の扉を開いた。



「まった?カオル」


「…あ、青衣。遅かったね?」

優しい笑みを浮かべる可愛いカオル。

あー…癒される。


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