*フレンズ*



振り向くと、屋上で見た少女が立っていた。


少し驚いたのか、固まっていた。



「……なに?」

「えっ!あっあの…あなたさっき屋上に居ました?」



やっぱり気づいてたのか…。



「……居たけど…悪かった?」

「えっ…いや…泣いてたの見られたかなって思って…」



やっぱり泣いてたんだ。


てか、泣いてたの見られてたら嫌なのか?



「……忘れてほしいなら、忘れるよ」



人は誰にだって、辛い過去がある。


それは私も同じ。


私だって誰にも言いたくない過去がある


それは少女も同じだと思う。


少女が願うのならば、見ていないことにしてあげよう。


そう、思った。



「あっ…じゃあ、見なかった事にして」

「…………ん」



そのまま立ち去ろうとした。




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