おしえてください、先生。
単純に、嬉しい。
好きな子に好きと言ってもらえるなんて、すごく幸せなことだ。
ドキドキするし、なんとなくふわふわした気持ちになる。
だけど今、南とは付き合えない。
南には受験が控えているし、俺はそれを叶えるために雇われた家庭教師。
桜さんは別に良いって言いそうだけど、俺が納得いかない。
それに付き合って、南の気をそぐようなまねはしたくない。
受験は何が起こるかわからないから、南を受験だけに集中させたい。
もし付き合うとしても……それは、南がうちの高校に合格してからだ。
俺はそう思ってるけど……南は違うらしい。
ソワソワしながら、期待したように俺をちらちらと見上げている。
「言っとくけど、付き合わねえから」
「えっ?!」
なんで?!と言うように驚く南。
「南にとって今が一番大切な時期だろ。付き合ってる時間なんてねえよ。桜さんにもそう言ったって言っただろ」