おしえてください、先生。
気が緩んでる……。
確かに、先生と気持ちが通じ合ってから少しふわふわした気持ちになっていたことは認める。
でも、勉強だってちゃんとしてたのに……。
「俺は、南が好きだ」
「え、あ、は、はい」
「だから、うちの高校に入ってほしい」
うん、と頷く。
私だって同じ気持ちだ。
「そのために……少し、この気持ちは封印しよう」
「え……?」
どういうこと……?
「俺は最近、南をちゃんと生徒としてみれてなかった。それは南もだろ?」
「う、うん……」
それは確かにそう。
先生と生徒である前に、私は先生のことが好きだったから……。
クリスマスも、授業以外で会えるのが嬉しかったし、授業が終わってからや夜ご飯でのたわいのない会話も好きだった。
先生と生徒じゃない関係でいられる時間が、何よりも好きだった。
「受験が終わるまで、授業に集中しよう」
「はい……」
真剣な表情で、声色で言う雄悟先生に、逆らうことはできなかった。
だけど、先生の言葉の重みを知るのに時間はかからなかった。