おしえてください、先生。

『もしもし雄悟?なにー?』



いつもの大翔の声。

男にしては高めだけど、女の声には聞こえないだろう。



「大翔、今日俺と二人で買い物してたよな?」

『は?何言ってんの?当たり前だろ? どうしたよ』

「いや、ちょっと証明してほしくて」

『証明?』



電話の向こうで大翔は困惑しているだろう。

唐突すぎて意味わかんねえだろうな。



「今日お前、女装してたよな」

『あ?うん。てかいつもじゃん?』

「そうだよな。女装はお前の趣味だもんな?」

『今更なんだよ。まあ、そうだけど』



ありがと、じゃあな。そう言って通話を切る。



「これでわかったか? あいつ、男。女装趣味のある、正真正銘の男だから」

「あ、え、はい」



南は驚いた様子で呆然としている。



「たまにあいつの趣味に付き合わされるんだよ。女装したら男引き連れて出歩きたいんだと」

「え、あ、そうなんだ……?」

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