おしえてください、先生。

「あった……!」



自分の番号を見つけて、飛び上がる。



「先生、あった!あったよ!!」



雄悟先生の制服の裾を引っ張って、思わず見上げる。

先生は綺麗な瞳でまっすぐに掲示板の方を見つめている。



「ああ……おめでとう。すごい、頑張ってたもんな。本当に」



雄悟先生の横顔から、目が離せない。

夕日が当たる先生の表情は、とても柔らかくて綺麗で、美しい。



「俺、自分が合格した時より感動してるかも」



雄悟先生が掲示板から私に視線を移す。

先生の瞳に私が映って、とても幸せな気分になる。



「帰るか」

「うん。お母さんにも報告しなくちゃ!」



スマホで仕事中のお母さんにメッセージを送って、帰路につく。

だけどなんとなくまっすぐ家に帰る気にならなくて、近くの川辺に寄り道をした。
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