おしえてください、先生。
雄悟先生の顔が近づいてきて、ギュッと目をつぶる。
ちゅ、と軽くおでこに先生の唇が触れた。
「こんぐらいで我慢しとけ」
「なっ、なっ……っ先生!」
「先生も禁止な。俺もう南の家庭教師じゃねえから」
高校に合格したことで、確かにもう家庭教師をする必要は無くなった。
「な、なんて呼べば良いの……?」
「ん? 雄悟?」
「むっ、無理無理っ!呼び捨ては無理っ」
手を左右にブブン振る。
「ゆ、雄悟くん……じゃ、ダメかな?」
「ま、今はそれでいいや」
雄悟先生も納得してくれたみたいでホッとする。
「まあ、家庭教師はこれで終わりだけど」
雄悟先生がニヤリと笑う。
「高校生になったら、彼氏としていろいろおしえてやるよ」
お前おしえがいありそうだしな、と楽しそうに言う。
「なっなっ、はい?!」