おしえてください、先生。
~~~~♪~~♪
だけど、そのキスは完全に重なる前に着信音に遮られた。
これは、私のスマホの着信音だ。
「う、わっ。ご、ごめっ」
「や、別に」
気まずくなりながら、ポケットに入っているスマホを取り出す。
発信先は、お母さんみたいだ。
通話ボタンをタップして耳に当てる。
「もしもしお母さ「南おめでとーーーーーっっっ!!!!今日はお祝いよー!!早く帰ってきてねー!!!!」
耳が痛くなるほどの大きな声に、通話を切ってしまった。
「あ」
間違えた、そう思って声が出る。
雄悟くんと目が合って、思わず声を出して二人で笑った。
ムードもへったくれもないなぁ。
「帰るか」
「うん」
でも、私たちにはまだまだ時間がある。
これからゆっくり、関係を進めていけば良い。
手を繋いで、マンションへ歩き出す。