おしえてください、先生。
先生とキス
初めての授業の日から一週間が経った。
いつも通り朝早く学校に来た私は、窓際の前から2番目である自分の席に座って外を眺めていた。
今日、雨降るのかな……。
空はどんよりとした曇り空だ。最近一段と寒くなってきたし、風邪引かないように気をつけなきゃ。
教室にはどんどんクラスメートが登校してきていて、挨拶で溢れかえる。
そして、一際明るい声が私に届いた。
「おはよ!南!」
「おはよう。愛夏」
佐藤愛夏。私が初等部で編入してきてからずっと仲良くしてくれている友達だ。
「南は今日も早いねえ」
「そうかな」
「そうだよぉ」
私も結構早く来てる方だと思うんだけどなぁ、愛夏がそう呟く。
それは仕方ない。私は痴漢対策のために一番空いている早い時間のバスと電車に乗るようにしているから。
「それより南。どう? イケメン先生は!」
愛夏には私の男嫌いのことも雄悟先生のことも話してある。
綺麗な人だったと言ったら、イケメン好きな愛夏はイケメンイケメンと毎日のように様子を聞いてくる。