おしえてください、先生。

「風呂、入ってこい。風邪ひくぞ」



受験生に風邪をひかれたら、たまったもんじゃない。



「で、でも……。お、お風呂入ってる時にもしも雷が鳴ったら……どうすればいいの……?」



確かに、いつ雷が鳴るかわからない状態で一人で風呂に入らせるのは危険かもな……。

南が素っ裸で動けなくなったら、俺がどうにかするしかなくなる。

でも南のそんな姿を見て冷静でいられる自信はない。



「わかった。一緒に入ればいいだろ」

「……へ?」



南は今まで見たことのないようなアホ面だった。

ちょっと面白くて、からかってやりたくなる。

南の手を取って脱衣所へ向かう。



「ま、待って先生……っ」

「なんだ?」

「一緒にって……ど、どういう……っ」

「そのまんまだけど?」



脱衣所に二人で入って、向き合う。



「なっ」



信じられない、と言うように口をぱくぱくさせている南。

からかいがいがあって、かわいいヤツ。

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