おしえてください、先生。
――ピカッ ドゴゴゴゴォーン!
近くに雷が落ちたのだろう。
地響きのような音とともに、少し揺れた気がした。
「いやっ」
南が悲鳴を上げて耳を塞ぐように頭を抱える。
南を落ち着かせようと「大丈夫だ」と南の肩に手を伸ばした時。
――チカ、チカ。
「まじ……?」
部屋の蛍光灯が怪しく点滅する。
そして、しばらくして部屋は暗闇に包まれた。
「やだっ、暗いのダメなの、こわいぃ……」
「南っ?!」
パニックなのか、南は目の前の俺に抱きついてくる。
身体は震えていて、もしかしたらまた泣いてんのかもしれねえ。
雷の日に真っ暗な物置に閉じ込められたって言ってたな……。
もしかしてそのせいで暗いところもダメとか……?
「南、とりあえず落ち着け。ただの停電だ」
そう言っても南は、俺の腰にまわっている両腕にさらに力を込め、胸に埋めた顔をイヤイヤと横に振っている。