おしえてください、先生。
くっそ……。マジで、胸当たってんだって……。
ポケットに入っていたスマホを取り出して、ライトをつける。
無いよりはマシだろう。
「南、少し移動するぞ」
俺が動くと、抱きついたまま南も動く。
窓際に行きカーテンを開けると、3階のこの部屋から見えるにしては不自然なほど真っ暗。
周辺の家はどこも電気がついていない。
「やっぱり停電か……しばらくこのままかもしんねえな……。南、懐中電灯とかあるか?」
南は頭を横に振る。
スマホでニュースを見るが、まだ停電のことは乗っていなかった。
SNSを開くと、停電だと騒いでいる近くに住んでいると思われる人もいた。
どうやら、このあたりの地区一帯が停電しているみたいだ。
いつ復旧するかは、まだわかりそうもない。
「南、寝よう。いつ戻るかわかんねえから、寝た方が良い。起きたらきっと戻ってる」
「む、無理……っひ、一人じゃ寝られないっ」