おしえてください、先生。
泣きついている南の頭を撫でる。丸い、小さな頭だ。
「大丈夫。俺がいる」
そう言って、抱きついている南をだっこして一緒にベッドに入る。
「ゆ、雄悟先生……っ?」
驚いて上げられた南の顔は、涙と鼻水でべたべたで、鼻が真っ赤になっているのが暗がりの中でもわかる。
「ほんと子どもだな」
ほんと……すげえかわいい、くそガキだ。
どうなってんだ……こんな不細工な顔見てかわいいと思っちまうとか……、イカレてる。
「子ども扱いしないで……」
子ども扱い、させてくれよ。
じゃねえと……もう俺、お前のこと女にしかみえなくなる……。
「いいからもう、寝ろ。ずっとこうしていてやるから」
南をそっと抱きしめて、背中をさする。
少しずつ落ち着いてきていた南は、そのまま瞼を閉じて眠りの世界に落ちていった。
この状況で簡単に寝るなんて……やっぱり、子どもだな。
結局、昨日の頬へのキスのこと謝れなかったな……。
明日、ちゃんと謝ろう。
南の丸い、小さな頭が愛おしい。
そっとそこに唇を寄せて、口づけた。
俺……南のこと、好きだ。きっと、もっと前から。
「南、おやすみ」
その夜、当然ながら俺はなかなか寝付けなかった。