おしえてください、先生。

ドキドキして苦しいけど……嫌な苦しさじゃない……。

私、雄悟先生になら触れられても大丈夫になったみたい……。



「お前の手、冷たくてきもちーんだよ。さっきも……」

「さっき……?」



さっきって、起きてすぐ、手で熱を測ったとき……?



「お、起きてたの?!」



ボンッと、大きな音を立てて顔が真っ赤になった気がした。



「うるせえ」



否定しない。やっぱり起きてたんだ……。

私、寝てると思って……っ。

すごい、恥ずかしい……っっ!



手を引っ込めようとするけど、雄悟先生は離してくれなくて、むしろ手のひらに頬を擦り寄らせている。



「離してっ!」

「ヤダ」



しばらく攻防が続いたが、雄悟先生が先に疲れたみたいで手を解放してくれた。

体温計で熱を測ると、38.6℃だった。



すごい熱……。私が無理させたから……。



「熱、高いね……。病院行こう?」
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