おしえてください、先生。
冷えピタを手にとって、雄悟先生のおでこに手を伸ばす。
ほのかに手が震える。それは男の人への恐怖なんかじゃない。
雄悟先生が私の目をじっと見つめてくるから。
ドキドキして、苦しくて、わけわかんなくて、手が震える。
ペタ、雄悟先生のおでこに冷えピタが貼られた。
その瞬間、先生の手が私の手首を掴んで、病人とは思えない力で引っ張られた。
私は突然のことにただ驚くだけで、気づけばベッドの中で先生に抱きしめられていた。
「せ、先生……?!」
先生は私の首元に顔を埋めている。
心臓の音が先生に聞こえるんじゃないかと思うくらい大きく鳴っているけれど、先生のおでこから香る冷えピタ独特の匂いが私を少し冷静にさせた。
首もとの開いた服を着ていた私の首に先生は顔を寄せる。
雄悟先生の鼻が肌に直接触れてくすぐったいと同時に恥ずかしい。
しかも、わざとくすぐるようにすり寄せてくるから、余計たちが悪い。