おしえてください、先生。
目は見開き、体は硬直する。
低い、雄悟先生の声だ。
「私……」
お母さんの声がする。
穏やかな、優しい声。
雄悟先生のこと、受け入れてるみたい……。
「付き合いたいとかじゃなくて……」
所々、聞き取れない。
だけど、これだけはわかった。
雄悟先生はお母さんが好き。
そしてお母さんは、決して嫌がってない。
それが事実。
でも……雄悟先生は、高校生だよ……?
確かにお母さんはまだ若いし、見た目だって歳以上に若く見えるけど……。
そんな、だって……。
頬に冷たいものが伝う。
私、何してるんだろ……。
必死に、違うって否定しようとしてる……。
自分の耳で、「好きです」ってはっきり聞いたのに。
ポロポロと、涙がどんどん溢れて止まらない。
こんな顔、見せられないよ……。
自分の部屋に入って、ベッドにダイブする。
枕を抱き込んで、顔を埋める。