おしえてください、先生。

「うぅっ……」



汚い、私。

どうしてお母さんなんだろう、って思ってる。

どうして雄悟先生が好きになったのが私じゃないの、って思ってる。

皮肉だ。どうしてこうなって初めて気づくんだろう。

こんなに雄悟先生を想っていたってことに。



ついこの間、雄悟先生と一緒に寝たベッドが、ひどく冷たく感じた。








結局その日は、私が帰ってきていることに気づいたお母さんに声をかけられたけど、体調が悪いと言って雄悟先生には帰ってもらった。

そしてその日から毎日、駅で金森くんに遭遇するようになった。

できるだけ絡まれないようにしてるけど、金森くんはめげない。

嫌なの、伝わってないのかなぁ……。

雄悟先生の家庭教師も次の日からいつも通り再開したけど、先生を直視できない。

先生がお母さんを好きなんだと考えると泣きそうになるし、辛い。

授業中はあまり気にしないようにしてるけど、集中できてるとは言い難い。

そんな日が2週間ほど続き、気づけば12月半ばになっていた。
< 86 / 154 >

この作品をシェア

pagetop